紅い月

「でも何で新撰組から逃げて来たんだ?何か・・・」



依岬は心配そうに何があったかを問う。




「何も。私の勝手な理由だ。」




敢えて病の事は伏せて話した。




労咳は人に移る・・・その前にここも出なければ・・・。




「坂本はん、お粥持って来ましたぇ。」



「おぉ!わざわざすまんのぉ。」




坂本はそう言うと襖を開けお盆を受け取った。




「まぁ、話は後にして今はコレを食べて精をつけるぜよ。おまんを抱き上げた時軽すぎておどろいたぜよ!!」




才谷はそう言うと豪快に笑う。




「そうか・・・。」




お粥を受け取りながら自分の腕を見つめる。




大分細くなったな・・・。今では咳のし過ぎで胸がヒリヒリと痛み食欲が沸かない。



粥をサジにすくい口に入れる。