紅い月

「坂本さん、コイツは俺の幼馴染なんですよ。」




ひとしきり笑った後、依岬が才谷に説明をする。





「おぉ!!そうだったんか!!」




「それにしても凛。あの事件の後お前一体何処にいたんだ?」




依岬は真剣な顔つきになり凛に問う。




「あの後、色々と町を転々として長州邸に忍びとして内部を探っていた。」




「よーするに間者をしていたのか?」




「あぁ、でもそれもばれて殺されかけた所を新撰組に助けられてそれからは四番隊の隊長として新撰組に世話になっていた。」




私のその言葉を聞いた瞬間、才谷と依岬の顔が強張った。




「心配するな。私を助けてくれたのはお尋ね者も坂本ではなくただの浪人、才谷だ。それに私は新撰組から逃げてきた。お前を捕まえる義理はなにもない。ましてや命の恩人を捕まえる気などない。」





「はは、相変わらず。凛らしいな。」