紅い月

男がそう言うと才谷はもの凄く落ち込んでいた。




「依岬・・・・?」




「え?えぇ、依岬ですけど・・・あなたは?」




聞き覚えのある名前に反応し、思わず名前を呼んでしまっていた。




「凛。山内凛。」




凛がそう言うと依岬の表情が変わった。




「凛かっ!?本当にっ!?」




凛の肩を掴みガクガクと揺らす。




「依岬・・・・やめろ・・・」




ごすっ・・・・




「ってぇーーーーっ!!」



鈍い音と共に依岬の頭に拳骨が落ちた。