紅い月

「少しは落ち着いたか?」




「あぁ・・・すまん。もう大丈夫だ・・・」




局長室に入り、暫く経った頃やっと凛が冷静を取り戻した。





「しかしよぉ・・・ひでぇ事する奴等だな・・・」



原田は山崎に頼まれた薬を抱えながら襖を開け、中に入る。




部屋の中央に敷かれた布団には松原がぐったりと横たわっている。





「大丈夫なのか・・・・?」





治療する山崎にそっと声を掛け、松原を見守る凛。





「あぁ、肋骨が何本かやられとるけどその他は打撲程度たから大丈夫やろう。」





「そうか・・・」





「凛くん、」





松原の治療が終わると同時に近藤が部屋に戻ってきた。





「局長・・・先程は取り乱してしまい申し訳ありませんでした・・・」