「随分堅苦しい挨拶だったな。」



後ろから声を掛けられ松原は驚いたのだろう。凄い勢いで後ろを振り向いた。




「山内隊長!!」



そこには山崎に支えられながら立っている凛の姿があった。




「もう隊長じゃない。今日からはお前が隊長だろう?しっかりやれ。松原隊長。」




凛はそう言うとニヤッと意地悪そうに笑った。





「もうっ!!からかわないでくださいよ!!」





松原は顔を真っ赤にして怒る。




「悪かった。まぁ、そんなに気張らなくても大丈夫。四番隊は皆気のいい奴等ばかりだ。お前もよく知っているだろう?」





「えぇ、精一杯やりますよ。」




「あの挨拶は堅苦しかったがな・・・」




「阿呆、お前の方がよっぽど堅苦しい奴やろ。」




山崎の言葉に少し笑う凛と必死で笑いを堪える松原。




そんな和やかな雰囲気を影から恨めしそうに見つめる男の姿。