「何か変わった事はないか?」



「はい。特にないです。」



ニコリとあどけない笑顔を見せそう答える。




「そうか。」




凛も少し笑って答える。




「そろそろ昼餉の時間じゃないか?」



「あっ!!本当だ。それじゃあ隊長また来ます。」




松原はそう言うとパタパタと小走りで凛の部屋を出て行った。



「なんや。えろお仲えぇやんか。」



どこから出てきたのか山崎が楽しそうに言う。



「ススム。あぁ、松原か。私の弟に似ているんだ歳も丁度同じくらいだな。生きていれば・・・の話だが。」




「生きていれば?」




「あぁ、弟・・・正宗もあの事件の日私を庇って死んだんだ。その弟が持っていた刀がこれだ。」




凛はそう言うと枕元にあった刀に手を伸ばす。