「先生、コイツの容態は・・・?」



山崎は松本に目を向ける。



「喀血は何度目ですか?」


凛に目を向けたまま松本は山崎に尋ねる。



「激しいものは池田屋の時と今日だけです。後は咳をした時血痰が・・・」



山崎もそう言って凛に目を向ける。



「そうですか。今はあなたの処置が早かったお陰で大事には至りませんでしたけど次、血を吐いたらその時は・・・覚悟だけはしておいてください。」




松本はそう言うと近藤等に一礼をして部屋を出て行った。




「そんな・・・なんでこの子が・・・」




近藤は涙ぐみ凛の寝顔を見つめる。



どうして今まで苦しんできたこの子が何故こんな目にばからり遭わなくてはならない?




「・・・ん・・・きょ・・・くちょ・・う・・・」



薄っすらと目をあけた凛は近藤に目を向ける。




「凛くん・・・」




「黙ってて・・・ごほっ・・ごめんなさい・・・」




凛はそう言って近藤に謝罪をした。




「いいんだ・・・いいんだよ・・・」