十月十五日、江戸に行っていた近藤・藤堂が屯所へ帰ってきた。



皆二人の事を迎えに門まで出て行く。



「局長が帰ってきた?なら私も行く。」



布団に寝ていた凛は近藤が帰ってきたと聞くとむくっと起き上がって自分も出迎えに行こうとする。



「何やっとんねん!一昨日熱出したばっかやろう!」



山崎は起き上がった凛を無理矢理布団に戻す。


「もう、治った。ススムは大袈裟なんだ。」



「何言っとんねん!お前が無理に隊務にでたんがいけないんやろう!」



あの日から凛は山崎の事をススムと呼ぶようになり、山崎も凛の事を凛と呼ぶようになった。


それに凛は山崎に自ら頼るようになり、素直になった。





「嫌だ、行く。」




「アホか。駄目に決まっとるやろ。」



二人で言い合いをしていると、



「わはは、凛くん、山崎くん久し振りだな。」



いつの間にか襖の所に近藤と見知らぬ男が立っていた。



「「局長!!」」