「はぁ、はぁ・・・やっと巻けたぜよ・・・」




小さな小道に入り肩で息をする男から自らの掴まれていた腕を抜く。




「何者だ。」



「あぁ!!すまんきに!!つい連れ回してしもおた。げにまっこすまんきに!!」




男は顔の前でパンッと手を合わせ謝る。



「何者だ・・・?」




「あぁ!!わしは才谷 梅太郎(さいたに うめたろう)ぜよ。」



男はそう言うとがははと笑う。



何だ?この男。




「もう私は行くぞ。」



凛はそう言うとクルリと男に背を向け歩き始める。



これがこの男、才谷 梅太郎との出会いだった。