「・・・部屋にいらして下さい。」



山崎はそれだけ言うと桶を持って部屋に向かって歩いていく。



襖を開け、後をついてきた土方を部屋に入れる。



「けほっ・・・山・・崎・・?」



部屋に入ると凛が意識を取り戻していた。



「目ぇ覚めたか。」



凛の寝ている布団の横に腰を下ろす土方と山崎。



土方が居る事に気がついた凛は起き上がる。



「寝ていていい。」



「いえ。」




土方の言葉にそう返して無理矢理身体を起こし布団に座る。




「で?お前等は一体ぇ何を隠してやがる。」



その言葉に凛がぴくっと僅かに反応する。




「・・・」



山崎は何も言わずただジッと凛が次の言葉を発するのを待っている。




「・・・池田屋で・・・」



やっとの思いで凛が口を開いた。



そして土方は次に発する凛の言葉に驚愕と困惑の表情を浮かべる。
















「・・・池田屋で喀血をしました。」