「山・・・崎・・・」



ポツリと凛が自分の名前を呼んだ。



「山内?」



起きたのかと思い声を掛ける。




けれど凛は目を開けずヒューヒューと苦しげな呼吸を繰り返すだけだった。




「うわ言か・・・」




山崎は桶の水を替える為に桶を持ち部屋を出た。



************************




井戸につき水を替える。




「おい、山崎。」



その時、土方に声を掛けられる。



「副長、いかがなされました?」





「お前、何か隠しているだろ。」



副長の言葉に柄にもなくドキッとする。けれど平静を装う。



「いいえ?何のことで・・・」




けれど土方には通じない様だ。



「誤魔化すんじゃねぇ。山内、ただの熱で意識を失っているわけじゃねぇだろう。」