「吐けぇっ!!」




バシンッ・・・




翌、六月五日の早朝沖田率いる一番隊が枡屋へ乗り込んだ。




するとやはりそこからは大量の武器、弾薬が見つかりそこにいた者を数人捕縛した。



枡屋喜衛門こと古高 俊太郎(ふるたかしゅんたろう)を拷問に掛けてもう少しで二刻半(四時間半)になる。



けれど以前、古高が吐いたのは自分の名前だけだ。




「まだ吐かないのか?」




凛は拷問が行われている蔵の前の隊士に尋ねる。




「えぇ、先程と何も変わりません。副長もお疲れでしょうに・・・」



「そうか。」




それだけ言うと凛はスタスタと蔵の扉の前まで行きゆっくりと開け、中に入る。





「ぐあぁあぁあぁぁっっ!!」




蔵の中は血の匂いが漂い古高の悲痛な叫びが木霊している。




「副長、お疲れ様です。一度変わります。」




凛はそう言って土方の許へ歩み寄る。