そんな音と共に襖が開き、姿を見せたのは・・・




「山崎?」



「ん・・・あぁ、まだ起きとったんかい。」



そう言いながら部屋に入ってくる。



そっと蝋燭に火を灯して部屋を明るくし、山崎に視線を戻すと僅かだが山崎の肩の部分だけ色が変わっていた。


そっとその部分に触れると山崎は顔を顰めた(しかめた)。




「斬られたのか?」



「大したことあらへん。」



山崎はそれだけ言うと着物を着替え始めた。



「肩をだせ。」



薬箱を手に山崎に近づく。



「・・・・」



山崎は何も言わずにただ立っていたが私が諦めないと思ったのか仕方なさげに畳に腰を下ろした。



傷口はそんなに深くはないが出血が多い。



台所から焼酎を持って来てそれを口に含み思いっきり山崎の肩に吹きかける。


「痛って・・・・」



山崎は顔を顰める。



焼酎は傷口にかけるととても痛いがその代わり出血が早く止まる。