六月四日深夜



山崎が枡屋に潜入してから四日が経っていた。



「ごほっごほっ・・・」



その夜、凛は咳のせいで中々眠りに付く事ができない。



いつも後少しの所で激しい咳が出る。



「眠れない・・・。」



ごろんと横を向く。


凛がいきなり動いたせいで足元に眠っていたこの間拾った猫が一瞬もぞっと動いた。



名前は真っ白で小さいから「小雪」にした。



ヒタヒタ・・・



廊下で足音がする。



もう丑三つ時(深夜二時)だ。こんな時間に誰かが起きているなど考えられない。



誰だ?



凛は不審に思い刀に手を掛ける。




ヒタヒタヒタ・・・




だんだんとこの部屋に近づいてきているのが分かる。




そっと刀を持ち、布団から出て襖の近くによる。



そっと襖を開けようとしたとき




がらっ