「枡屋や。あそこに数人の長州藩士が身を隠している。せやから髪結いとして潜入するんや。」




山崎はそう言って引き出しから何かを取り出している。




「そうか・・・ごほっ・・・気を付けてくれ・・・。」




凛はそう言うと起き上がり布団を片付ける。



「まだ寝とけばいいやんか。起床時間まで後一刻も残っとる。」



「風呂だ。この時間帯でないと入れないからな。」



凛はそう言いながら引き出しを開け手拭いと替えの着物を持つ。



「さよか。ほんなら俺は行く。」



「あぁ。」





山崎はそう言うと凛とは逆の方向へ歩いていった。