「嫌やっ!!まだ中にっ!」



「どうした?」



長屋の入り口にいる女を避難させようとしている隊士の様子がおかしい事に気付き凛はそちらに向かう。



「まだ、中に子供がいると・・・」


「・・・一人か?」



「いえ、二人だそうです。」



「この女子を早く安全な場所へ。」



凛がそう言うと



「嫌やぁっ!!まだ子供がっ!為吉っ栄吉っ!」




女はバタバタと暴れ長屋へ入ろうとする。



「子供は私が助ける!早く安全な場所へっ!!」



凛がそう言うと隊士は無理矢理女を抱えその場から離れた。



「誰か水をっ!!」



「はいっ!!」




凛がそう言うと水の入った桶を松原が手渡した。



バシャッ!



すると凛はそれを思いっきり頭から被り、燃え盛る長屋へ一人飛び込んだ。