「それでは四番隊行くぞ。列から絶対に離れるな。」



凛はそう言って列の最前線を歩き始める。



「ごほっごほっ、」



「隊長、お身体はもうよろしいのですか？」



咳をした凛を心配そうに松原が見つめる。




「平気だ。それよりも昨日の見廻りは変わった事はなかったか？」




「昨日は絡んできた浪士二人を捕縛した以外何もありませんでした。」



「そうか・・・「火事やぁーーーっ！！」




凛の声を遮って何処からともなく叫びが聞えた。




「火事だと？皆、行くぞっ！」



凛は火事と聞いてその場へ走った。



長屋が物凄い勢いで燃えている。



「おい、誰か屯所に走ってこの事を伝えろっ！」




凛がそう叫ぶと隊の二人が「はいっ」と声を上げ屯所に向かって走り始めた。



「歩ける怪我人は此処から近い医者の許へ歩けないものはここの隊士達に運んでもらうっ！皆、歩けないものたちに手を貸してやれっ！！」



凛がそう言うと隊士はバラバラと動けないものに手を貸して火の手から遠ざけ始めた。