山崎の顔が目の前にあった。


コツンと凛の額に自分の額をつけたのだ。



「確かに下がったようやな。」



そう言ってそっと額を離した。



「けど油断せんようにせぇよ。・・・何やねん。顔真っ赤やで?また熱でも出たんか?」




山崎はそう言って不思議そうに凛の顔をみた。



「何でもないっ!!朝餉を取ってくるっ!!」



凛はそう言って赤い顔を隠す様に部屋を出て行った。




「はぁ~何しとんのや俺は・・・」




凛が出て行った部屋では山崎が自己嫌悪に陥っていた。



「柄にもない事やってもうた・・・。」



「くすっ、そうですね。」




いきなり声がしてバッと顔を上げると沖田が障子を少し開け顔を覗かせていた。




「沖田さん・・・いつから?」



「おでこコツンの辺りから。」




平然と言う沖田の言葉を聞いて山崎は顔を少し赤くした。


「何なんですか?この間から・・・。山内が取られるとか、取られないとか。」




「くすっ、きっといつか取られちゃいますよ。僕とかにね。」




沖田はそう言うと足早に食堂の方に向かって行った。