「ごほっごほっ・・・」



「大丈夫ですか?」




咳をした凛の背中を沖田が優しく摩る。




「平気です・・・お二人とも移るといけませんから部屋へ戻ってください。寝ていれば治りますし・・・。」





凛はそう言って二人を遠ざける。



「もぉ~そんな事言って。私たちは移りませんから大丈夫ですよ。」




「ですが、ごほっごほっ・・・」



沖田は尚も凛の背中を摩る続ける。




「山内、薬を持って来たから飲め。」




土方はぶっきら棒に凛の目の前にずいっと薬を突きつける。



「はい。」



凛はそれを受け取ると素直に飲み、また眠りに落ちていった。




沖田は凛の頭をそっと撫でる。



「おやすみなさい。」



土方は濡れた手拭を凛の額に乗せると沖田と共に部屋を出て行った。