『ありがとう。』




そう言って初めて笑った凛。




その笑顔に不覚にも心臓がトクンと音を立てた。



何なんや?



この気持ち・・・



初めて会った時から比べると凛はよく感情を出すようになった。



だけどそれはぱっと見だけでは分からない。




きっと同室と言うこともあるし、俺は監察方やからそう言うことも他人よりは分かる。





だけどそれだけではないと最近思う。




気が付けばアイツを目で追っている自分がいる。






どこにいてもアイツだけは見つけ出す事ができる。




初めてアイツに会った時、昔の俺に似ていると思い、放っておけなかった。




本当にそれだけなのか・・・?






あぁ、駄目や。こう言うこと考えるんは苦手なんや・・・。





ガシガシと頭を掻く。