・・・元治元年一月・・・



「みんな明けましておめでとう。今日は女中さんが腕を振るって料理を作ってくれたぞ。酒もある。みんな今日は羽を伸ばしてゆっくりと楽しんでくれ。」




近藤がそう言うと周りの隊士たちは「おおっーーーー!!」などと雄叫びを上げてどんちゃん騒ぎを始めた。





「凛、ほらもっと食えっ!」



「やめろ・・・。」




近藤は凛の姿を見つけ、そっと凛の許(もと)へ歩み寄る。




「凛くん、食べてるかね?」




「局長、おめでとうございます。」


「あぁ、おめでとう。左之助お前は何をやってるんだ?」




凛の皿におせちをこんもりと乗せている原田に声を掛ける。



「こいつ、メシを全然食わねぇんだ。」




「お前が食べ過ぎなだけだ。私は至って普通だ。」




凛はそう言って原田の手から皿を取りあげる。




「ははは、まぁ凛くんも思う存分楽しみたまえ。」




近藤はそう言って席に戻って行った。