四番隊は列を作って京の町を歩く。




「隊長、今日は宿帳改めはしないのですか?」




一人の隊士が声を掛けた。



切腹させられた吉村に代わって伍長を務めている松原 忠司だ。




「あぁ、今は何処の宿も新年を迎える為の準備で忙しいだろうし町の見廻りだけで済ませる。」




凛はそれだけ言ってまた歩き始める。





ぴくっ・・・・




二条大橋の中間地点に差し掛かった時前を歩いていた凛の動きがピタリと止まった。




「どうしたんですか?隊長。」




後ろの松原が凛に声を掛ける。





「しっ、囲まれてる。」




凛の言葉に隊士の動きがピタリと止まる。




それを狙っていたかの様に橋の両脇から刀を抜いた男たちが一斉にこちらに向かって走り出してきた。