「山崎、ここの掃除は済んだのか?」



「ん、あぁさっきやった所や。」





バタバタと慌しい屯所の中




師走の終わり、もうすぐ一年が終わり新しい年が始まる。






あの事件のあと近藤は今までにも増して凛を気に掛けるようになった。




「凛くん、こっちは終わったかい?」





「局長、えぇ終わりました。」




「そうか、それじゃあ四番隊は見廻りに行って来てくれないかい?みんな手一杯でな。」




近藤はそう言うと頭をかいて笑う。




「えぇ、それじゃあ行ってきます。」




あの事件をきっかけに凛は少しずつだけれど感情を表に出せる様になった。




新撰組のみんなの事を心から信じられるようになったのだ。





今までは信じているとは言っても心のどこかでは信じていなかったのかもしれない。






けれど、近藤や他のみんなの優しさに触れてその不信感もなくなった。