「さて、そろそろわしは帰るかの。平山、平間帰るぞ。」





暫くすると芹沢はそう言って二人の仲間を引き連れ角屋を出て行った。





足取りはもう既におぼつかなく千鳥足になっていた。




私は芹沢の後ろ姿を窓から見る。




すると屋根の上を黒いものが移動していた。




「山崎だ・・・」





「どうしたのかね。凛くん。」




今まで、土方の横にいた近藤がいつの間にか自分の横に居た。





「山崎がいました。」



「おぉ、そうか。それにしてもこの雨のなかよく見つけたな。」



「えぇ。もうすぐでしょうね。芹沢の足取りは既におぼつかなく目も据わっていた。八木邸に帰ってすぐに寝てしまうかそれともあの二人の男と酒を少し飲んでから寝るかのどちらか。どちらにしろそう時間も掛からないでしょうね。」





「あぁ。」






凛の言葉に近藤はそう言って頷き、また土方の方へ戻っていった。