紅い月

「凛さんっ!?」






そういった私に沖田は酷く驚いている。







「大坂で芹沢さんを止めたとき、あの人の止め方が分かったんです。」






私はそれだけ言うとスタスタと大和屋に向かって歩く。





「凛さんっ!!」






後ろでは沖田が珍しく大声を出している。






「よっ」







スタッと音を立てて一瞬のうちに屋根の上に上る。





「芹沢先生、」





「ううん?あぁ、山内か。どうした?」





「愉快ですね。上から人を見下ろすのは。」




「そうだろう、そうだろう。ガハハ」