小さな約束



「血液のがん。…白血病だよ」




「………」




光流って女は無表情のまま固まっている。




俺は話を続けた。




「白血病って知ってる??白血球が多くなる病気。一時期不治の病とも呼ばれていた」




「知ってる…」




「え??」




「骨髄移植は??」




「俺、兄弟いねーもん。

兄弟なら骨髄の適合者は4分の1の確率だけど、その他の人は数万分の1。



俺の母さん、白血病だったんだ。適合者が見つからず死んでいった…。



適合者の検査をした時、俺も同じ病だってわかったんだ。でも俺の場合、発見が早くて助かった…」




「よかったじゃん」




光流は無表情のまま言った。