「ねぇ竜太。あたし決めた」
「…何を??」
その日の夕方…。
俺達は病院の屋上で町の景色を二人で眺めていた。
「あたし…リハビリする。何か月かかってもいい。もう一回バスケしたいの。
確かにあたしが復帰したころにはみんなうまくなってるかもしれないけど…。
でもあたしやっぱりバスケが好き。
下手でもいいからバスケしたい
それに後悔だけはしたくないから」
光流はまっすぐに前を見つめ、そう言った。
「そっか…頑張れ」
光流も新たな一歩を踏み出した。
「なんかさ、人の一生ってすごく短いよね」
「そうか??」
「うん。だから限りある時間は、自分が本当にやりたいことをしなくちゃもったいないって思ってさ」
「ふーん。俺はそうは思わないけどな」
「え??」
「なんか人生って長く感じないか??
俺は昔と比べて1日1日がすごく長く感じる」
「ふーん」
「なんでだろうな」
そう言いながらもわかっていた。
毎日が充実してるんだ。
1日1日をゆっくり感じれるほど余裕ができたんだ。
「まぁいいんじゃない?長くても短くても。
1日は1日でそれだけは何も変わらないんだし。楽しめればいいよね」
光流はニカッと笑った。
その爽やかな笑顔を見てふと思った。
そういえば俺、こいつが来てから少し変わったかもしれない。
今はもう毎日を生きることが楽しくてしょうがない。
前は生きることが苦痛だった。
病気と、死と闘うことが本当につらかった。
俺はそっと左胸をさすった。
俺はそのうち死ぬかもしれない。
でも、今を生きることの喜びをゆっくりとかみしめながら生きてゆこうと思う。


