小さな約束



「す……!」




「はーい、健一くん熱計ろっか〜」




タイミング悪く看護士が病室に入ってきた。




「あれ??」




真っ赤な顔をしている葉奈を見て、看護士はニヤリと笑った。




「ごめ〜ん。おじゃまだったかな?」




「そっそんなことないよ!」




「おい、葉奈。『す』って何だ??」




「何にもないもん!!


すっぱいレモンが食べたくなっただけだもん!!」




そう叫んで葉奈は病室を飛び出した。




ゴンッ




「いったぁ…!」




扉の影にいた光流に思いきりぶつかってしまった。




「光流ちゃんのバカ〜〜〜〜〜!!!」




葉奈はぶつかったことなどお構いなしに走って行っしまった。






「何だったんだ??」




静かになった病室で、健一が不思議そうにつぶやいた。