「光流…少しお話があるの…」
「お母さん…」
そこに立っていたのは、光流の母親だった。
光流の母親は深刻そうな顔をして、口を開いた。
「光流…あなたの右手…もうバスケできないかもしれないの…」
「え…」
「事故でひねってしまったこともあるけど、光流バスケが大好きで、毎日練習してたでしょう?
練習のしすぎで手を痛めてしまってて…」
「嘘だ…嘘でしょ…」
「本当よ、光流。でも大丈夫!リハビリしたら…」
「嘘…嘘だっ!!」
そう言って光流は涙を流しながら外へ走りだした。
「光流っ!!」
光流の母親の声が、静まり返った廊下にむなしく響いた。


