小さな約束



光流は恥ずかしそうに、もじもじしている。




「光流…??」




「あたし…竜太のことが…


好き」




「え…??」


「ええっ!?」




多分俺よりも泉の方がびっくりしたと思う。




「返事は…返事はいらない。ただ気持ちを伝えたかったから」




光流はフッときれいに笑った。




「竜太、今までありがとう」




光流は俺に背を向けると、すたすた病室の扉まで歩いていった。




「みんな今まで本当にありがとう!」




「うん…っ!ありがとね。光流ちゃん!!」




「お…おめでとう」


泉はさっきの告白の驚きがまだ残っているようだ。




俺も正直まだ驚いている。




「じゃああたし行くね。ばいばい

お母さん、行こう」




「はいはい。行くわよ、芽依」




「は〜い」




光流は振り返ることなく進んでいった。




「みなさん今まで本当にありがとうございました」


「ありがと〜う」




光流の母親と芽依はお辞儀をして、光流の後をぱたぱたと追いかけた。




「見送り行こっ」


「そうだな。竜太、行くぞ」




「…俺はいいや。行かない」




「そっか。じゃあ行こっか。泉くん」




葉奈が泉の手を引いた。




「え。いいの??」




「うん。だってそういう性格だし」




葉奈と泉は光流の見送りのため、病室を出ていった。