「よくねーよ」
自嘲気味に笑った。
「治るわけねーじゃん。母さんもこの病で死んでいったんだぜ?
兄弟もいねーし。適合者なんか奇跡でも起きない限り見つからねーよ」
「見つかるかもしれないじゃん」
「見つかんねーよ!!」
気づいたら怒鳴っていた。
自分が初めて合った人にここまで感情移入するなんて思わなかった。
なぜだかわからなかったが、この女にはすべてをさらけ出してもいいと思えた。
「白血病になるまでも、喘息でずっと入退院を繰り返しててさ…。
退院するたび、一生ここには帰ってこないと誓ってた…。
でも白血病を発見してから1年ずっと病院で…
普通に学校行きてーよ。
普通に生きてーよ…」


