「た…匠せんぱい…。」 やっぱり完全に呼び捨てってのは無理だよ…。 先輩は先輩だもん…。 「……今日のところは、それで許してやるよ。」 先輩はフッと笑って、私から少し顔を遠ざける。 何はともあれ、これで、私……家に帰れる…! 「そっ…それじゃあ、私…帰らせて頂きます…。」 ペコリとお辞儀をしてソファーから立とうとすると、 「…ただし、いつまでもそうやって呼んでると、俺…何するか分かんないよ?」