「匠先輩…。ごめんなさい…。」 その言葉に先輩は髪の毛に通していた指をピタリと止めた。 「ごめん…って何が?」 先輩は抱きしめていた腕を弱めて、私の顔を覗きこむ。 先輩の顔は少し戸惑っているように見えた。