「せ…先輩っ…。先輩には夏海先輩がいるじゃないですか…。せっかくの自由時間なんですから、私よりも夏海先輩と……」


私がそう言ってる間に、匠先輩は眼鏡をテーブルに置くと、私をギュッと抱きしめた。


「俺は翠央と一緒に居たいんだよ。他の誰でもない…お前の傍に居たいんだ…。」


心拍数が徐々に上がっていくのが分かる。


なんで、こんなに先輩の言葉が嬉しいのかな…?



「翠央、ちゃんと言っておくけど、夏海とはもう付き合ってるわけじゃない。好きっていう気持ちも、ねぇから。今、俺の心には翠央しかいない。」


先輩の声が、言葉が私の心を満たしていく。