「翠央はいるよ…。」 『えっ?相沢君?』 実行委員の男の人のビックリしたような声が聞こえてくる。 みんなも、ザワザワし始めて…… 私はステージも周りも見えないように膝に顔を思いっきり押しつけるように伏せて、視界に何も見えないようにしていた。 私、ステージに出て行かなかったんだから、もう居ても居なくても、他の女の子に決めなおせばいいのに…。 そう思っていた時、フワッと甘く爽やかな香りが漂ってきた。