体育館の空気は次第に、落胆から希望へと変わっていく。 “もう一度、引き直した方がいい”との誰かの声に、女の子たちは賛同しているみたい。 私も膝に顔を伏せながら、その方がいい…って思っていた。 『えーっと…七瀬さん、どうやらいらっしゃらないみたいなので、もう一度、相沢君には紙を引き直して……』 「……いるよ。」 匠先輩の一言に体育館は再び静まった。