「先輩…、昨日のことは本当にすいませんでした…。なので、退学しろ…とか言わないで下さいね…?」


必死にお願いをしたつもりだったけど、先輩は口をポカンと開けて、“は?”といった表情で私を見る。


「お前…、何か勘違いしてないか?」


先輩はポケットから取り出したものを私の唇に触れさせた。


ん!?


ちょっと冷たい感覚があったけど…何?


ゆっくりと唇から離れていくソレに焦点が合うと、“あっ!”と私は声を出した。


開かずの扉の鍵…。