放課後の時間は自由に使えるようになった……。 だけど… それが寂しく感じるのは、なんで……? 浮かない気分で、智依と一緒に昇降口の手前まで来た私は、ピタッと思わず足を止めた。 昇降口のところで、壁に寄りかかるようにして立っている匠先輩が、目に映りこんできたから…。 ドキッという胸の鼓動と、ズキッとした痛みが同時に体の中を駆け巡る。