「あっ……それじゃあ、私…帰るね…。」 夏海先輩は、ハッと思い出したかのように言うと、足早に部屋を出て行ってしまった。 私と匠先輩だけになっちゃった…。 いつも、この部屋では二人きりなんだけど、今日は…ちょっと気まずい…。 どうしよう… 今日は、もう帰ろうかな…。 そう思いながら、ソファーに置いてあったカバンに手を伸ばした。 「もう帰んの…?」