「今回は、翠央の両親が帰って来るっていう大切な用事だったことに免じて、許してやるよ。ただし、今後は俺に言えよ?他の誰かじゃなくて、俺に…。」


私が小さく頷くと、先輩は私の前髪にフワッと触れるだけのキスをした。


胸が焦げちゃいそう…。


私の脳裏では、週末のお母さんとの会話が何回も再生されている。


“翠央は先輩に恋してるのね”


“心のどこかで先輩のことが好きだって思ってる”



お母さんと話している時、私は、そんなことないよぉ…って思ったんだけど…


やっぱり今、この先輩といる時間で確信しちゃった…。