素顔の先輩と甘い休息

「匠様…。お帰りなさいませ。」


スーツ姿の男性は深々と頭を下げる。


へ……？？？


私はビックリして、目をパチパチさせる。


匠様……？


ちょっと待って…。
先輩って一体何者ですか…？


「日向(ﾋｭｳｶﾞ)、随分待たせてすまなかったな…。ちょっと翠央がケガしてるんだ…。悪いが、後部座席のドアを開けてくれないか…？」


「かしこまりました。」


スーツ姿の男性は、お辞儀をすると、素早く後部座席のドアを開けた。