「こうすれば、光も音も少しは遮れるだろ?」 先輩は私の耳を塞ぐように腕を回して強く抱きしめた。 「もう大丈夫。俺が傍にいるから…。大丈夫だよ、翠央。」 先輩の声は、いつもより穏やかで優しくて…。 私は、先輩の言葉を聞いた途端、涙が一気に溢れ出てしまった。