「何、扉の前で固まってんだよ?早くこっち来いって。」 放課後、重い足取りでやってきた私は、部屋の入り口で突っ立っていた。 案の定、先輩は私を呼ぶ。 私がなかなか動かないでいると、先輩は痺れを切らしてソファーから立ち上がって私の前にやってきた。 「どうした?元気ねぇな。」 えっ? 私…今、どんな顔してるの…? 俯いて自分の頬に手をあてていると、先輩は優しく包むように抱きしめた。