「せっ……先輩!?あのっ……」


こんな風に男の人に抱きかかえられたことないから、恥ずかしいよぉ…!


しかも、暁が見ている目の前で……。


早く降りたいよ〜!!



私の思いとは、裏腹に先輩は私を抱きかかえたまま教室を出た。


教室を出る時に、フッと暁の顔を見ると唇を噛みしめながら俯いている。


その顔は、とても寂しそうで、傍にいたとしても声をかけづらそうな…


そんな表情をしていた。