「先輩…!離してください…。これから帰るところなんです。」 ジタバタもがく私を、先輩は強く抱きしめる。 「捕まえたもんは、離さねぇから。」 ボソッと言われて、私は声も出てこない。 『相沢先輩〜!もっと私たちと、お話しましょうよ!』 後方からの女の子たちの声に、 「ごめんね。今日は急用が出来たから、また今度ゆっくりと。」 爽やかな声であしらう先輩に、私はポカンと開いた口が塞がらない。