匠先輩は椅子から立つと、屈むようにして私の耳元へ顔を寄せる。 「いつか、その唇……俺が奪うから。」 甘く低いトーンで耳に届いてくる先輩の声に、ドキッと心臓が跳ねたような気がした。 どっ…どうして、私にそんなこと言うんだろう…? もしや…… 反応見て、面白がってるとか…!? 一番あり得る線だよね…。