「ワガママなこと言って、ごめんなさい……」
ぎゅーっと抱きついたまま、先輩の胸の中で素直にそう謝った私だったが……ふいに、そこで優しく引き剥がされる。
(え……?)
上を見上げた拍子に、再び降ってきた……柔らかくて優しい、先輩の、唇……―――。
「…殺し文句やな、それは」
そう見下ろした視線だけで、私のことを釘付けにして離さないって……先輩の優しい瞳は、それこそ言葉以上に“殺し文句”ばりの効力を持っては私の心ごと捕まえて離してはくれないってこと……、
―――きっと自分では、全然、気付いてないでしょう……?

