「先輩も所詮、部費に目が眩んだクチだったんだね……私のことよりも、おカネの方が大事なんだ……」
「いや違うって…! だから、桃花ッ……!!」
「ひどーい、私が知らない間にそんなたくさんのオンナノコ口説き回ってたなんて……先輩のウワキモノーッ!!」
「『ウワキ』って…違うやろそれは!! それに『口説き回って』なんて、してへんしホンマに!!」
「ふうぅぅん…? 口説いてもないのに、先輩はあんなにオンナノコ集客できちゃうんですかー。それはスゴイですねーホンマにーっ!」
「…………」
―――そこで、イヤミッ気タップリな私の口を塞ぐように……降ってきた、少し乱暴なキス。
「…いい加減、ちょぉ黙りやー?」
お互いの唇が離れてから、目が合うと……少し怒ったような声で、先輩は言った。
「オレが“こういうこと”するんは桃花だけやって……わかってて言ってるんか、そういうコト……?」
「――わかってるもーんっだ……!!」
その言葉は嬉しいんだけど……それでも、ちょっとだけ悔しさまじりに、私はそこで、“いーッ”とも“ベーッ”ともつかないカオをして舌を出す。
「わかってるけど……でも、放っておかれるのはすっごい淋しくて……だから腹が立ったのっ!!」
私を見下ろしてる、どこまでも優しい視線を受けるのが耐えられなくなって……そして、先輩の胸に顔を埋めるようにして抱きついた。
「先輩には先輩で、いろいろあるんだって、わかってるけど……でも、私だけを見ていて欲しいんだもん……こうやって、いつも一緒にいたいんだもん……!」
―――そんなのは、単なる私のワガママ。
…そしてヤキモチ。
わかってるけど……でも、言いたくなるんだもん。
誰にでも好かれる“人気者”な先輩だから、――尚更、不安なんだもの。
いつも、いつも、私ばっかりが……。

