Anniversary

「先輩、私にこれを見せたかったんだねっ!? すっごくステキな入学祝いだよ!! ありがとうっ、ものすごい嬉しいっ!! もー先輩ちょーダイスキっっ!!」

 興奮と感動に任せてそこまで言い切った後になってから……、

 ――ハッとして“それ”に気付く私。

(そ…そういえば今、先輩ってば、お怒り真っ最中じゃなかったっけ……?)

 しかも私は、拗ね拗ね真っ最中、だったハズ……。

 そこでハタ…と硬直した私は、そのまま恐る恐る、先輩の方を見上げてみた。

 すると先輩は、いつから見ていたのか、既に振り返って私のことを見下ろしていて。

 ――ってソレ…、なんかすっごく、笑いを堪えているみたいなカオ、してない……?

 見上げた私をしばし見つめて。

 ふいにプッ…と小さく吹き出してから、先輩は言う。笑顔でヒトコト。

「いま拗ねたカラスが、もう笑った」

「――――!!」

 即座にかああああっと顔が赤くなっていくのがわかった。

 もう、どこまでヒトのこと小馬鹿にしてくれれば気が済むんだろうこのヒトってばっ……!!

 でも同時に、ようやく先輩がこっち向いて笑ってくれた…って、安心して喜んじゃってる自分も、居たり、して……、

(ホント悔しいなあ、もうっ……!!)

 なんで私の喜ぶツボを、先輩ってば、こんなにも心得ちゃってるんだろう。

「ホンット、先輩ってイジワルーっ……!!」

 悔しくなったあまり……迫力もへったくれも何も無い真っ赤な顔で先輩を睨み付けることしか、できない私。

 きっと、困ったような情けない表情に、なっちゃってるんだろうなぁ……。

 案の定、先輩が「そんなカオすんなや」と、私の髪をくしゃっと撫でた。

「まーたイジメたくなっちゃうやんかー」

 ―――じゃあ、さっきの無言は明らかに私のこと『イジメ』てたんですね先輩……?