「桜の、トンネルだあっ……!!」
そこはまさに田園地帯。
その中を走る農業用水路に沿って、まるで並木のように満開の桜の木々が並んでいたのだ。
先輩も、その用水路沿いに自転車を走らせる。
手を伸ばせば触れられそうなくらいに頭上近くまで垂れ下がった枝は、その先端までいっぱいに花を付けて、ホント“トンネル”と言っても過言ではないくらいに、まるで屋根のように、その下を走る私たちを覆っていて。
見上げる空は、ひとえに薄ピンク色の花模様。
「すっごーい……!! こんなキレイな桜が近くに在ったなんて……全っ然、知らなかったー……!!」
思わず無意識にスカートを押さえていた手を放して、先輩の制服の背中をぎゅーっと握り締めていた。
もう片方の手が、頭上を流れる桜の花に向かって伸びる。
「ホント、すごいキレイ……」
その伸ばした手の向こうに……そこでふいに青い空が映った。
「え……?」
先輩が自転車を方向転換させたのだ。…どうやら桜が途切れた先には橋があったみたいで。
桜との“お別れ”を残念に思った私が反射的にそこでうらめしげな視線を向けてしまったのを、予めわかっていたように……渡っていたその橋の真ん中で、先輩は自転車を停止させる。
そこから眼前に広がる景色は……! ――近くで見るのとはまた違った桜並木の美しさを、私に伝えてくれた。
「わあっ……ホント綺麗……!!」
タメ息と共に、こんな当たり前の言葉しか出て来ないくらい。
緩やかなカーヴを描いて走る用水路の遥か向こうまで見渡せるその場所は、それに沿って連なる桜も遠くまで見渡せて……連続する薄ピンク色の塊が、こんなに綺麗に見えるなんてこと……今日ここで私は、始めて知った。
近くで見る桜だけでなく、遠くから見る桜も、こんなに綺麗なんだってこと……!
まさしく先輩が、これを承知の上で、この場所で自転車を停めてくれたことは間違い無い。
「すごいよ先輩…!! なんか私、すっごい感動……!!」
目は景色に奪われたままで……掴んだままだった先輩の背中を、私は興奮のあまりガシガシ引っ張っていた。
そこはまさに田園地帯。
その中を走る農業用水路に沿って、まるで並木のように満開の桜の木々が並んでいたのだ。
先輩も、その用水路沿いに自転車を走らせる。
手を伸ばせば触れられそうなくらいに頭上近くまで垂れ下がった枝は、その先端までいっぱいに花を付けて、ホント“トンネル”と言っても過言ではないくらいに、まるで屋根のように、その下を走る私たちを覆っていて。
見上げる空は、ひとえに薄ピンク色の花模様。
「すっごーい……!! こんなキレイな桜が近くに在ったなんて……全っ然、知らなかったー……!!」
思わず無意識にスカートを押さえていた手を放して、先輩の制服の背中をぎゅーっと握り締めていた。
もう片方の手が、頭上を流れる桜の花に向かって伸びる。
「ホント、すごいキレイ……」
その伸ばした手の向こうに……そこでふいに青い空が映った。
「え……?」
先輩が自転車を方向転換させたのだ。…どうやら桜が途切れた先には橋があったみたいで。
桜との“お別れ”を残念に思った私が反射的にそこでうらめしげな視線を向けてしまったのを、予めわかっていたように……渡っていたその橋の真ん中で、先輩は自転車を停止させる。
そこから眼前に広がる景色は……! ――近くで見るのとはまた違った桜並木の美しさを、私に伝えてくれた。
「わあっ……ホント綺麗……!!」
タメ息と共に、こんな当たり前の言葉しか出て来ないくらい。
緩やかなカーヴを描いて走る用水路の遥か向こうまで見渡せるその場所は、それに沿って連なる桜も遠くまで見渡せて……連続する薄ピンク色の塊が、こんなに綺麗に見えるなんてこと……今日ここで私は、始めて知った。
近くで見る桜だけでなく、遠くから見る桜も、こんなに綺麗なんだってこと……!
まさしく先輩が、これを承知の上で、この場所で自転車を停めてくれたことは間違い無い。
「すごいよ先輩…!! なんか私、すっごい感動……!!」
目は景色に奪われたままで……掴んだままだった先輩の背中を、私は興奮のあまりガシガシ引っ張っていた。

